抄録
所定の温度に加熱したガラスに電圧を印加(熱・電気ポーリング)すると、媒質内部に存在する低価数カチオンの移動に起因して、理論的に観測されないはずの2次非線形光学現象の一種である第二高調波(SHG)が観測されることが知られている。
本研究では15Nb2O5・85TeO2の組成をもつガラスを対象に、ナトリウムイオンを含有する硼ケイ酸塩ガラスを接触させた状態で電圧を印加することで、ポーリング処理を施すと同時にナトリウムイオンの添加を試みた。試料の2次非線形光学特性をMaker-Fringe法を用いて評価したところ、ポーリング時の温度が上昇するとともにSHG活性層は厚くなるものの、250_から_260℃温度をピークにd値が減少する結果となった。