抄録
強誘電体薄膜をマイクロセンサーやマイクロアクチュエーター、高密度メモリーに応用するためには、強誘電体薄膜をナノパターニングする必要がある。ナノパターニングされた強誘電体薄膜のサイズ依存性およびプロセス依存性に関して知見を得ることは、これら応用に重要である。本研究では、収束イオンビーム(FIB)を用いて作製した大きなアスペクト比を持つPZTキャパシターの圧電特性に関する調査を行った。圧電応答顕微鏡(PFM)測定結果から、面内方向のサイズが400nm、高さ2μmのPZTキャパシターは、周辺の加工されていない部分と比べて非常に大きな圧電応答を示すことがわかった。これは圧電薄膜の面内サイズが数百nmサイズのレベルまで縮小されると通常の薄膜よりも大きな圧電性を示すようになることを示唆している。この大きな圧電特性が生じる原因につてい検討した結果を当日報告する。