抄録
高温型CaZrO3系プロトン導電体は、InをドープしたCaZr0.9In0.1O3-δ組成の試料で良好な焼結性と高い導電率を持つことから、既に溶融金属用水素センサとして実用化されている。一方、SrZrO3系ではYbをドープしたSrZr0.9Yb0.1O3-δで極めて高い導電率が確認されるが、問題点として焼結が困難であることが知られている。本研究は、InをドープしたSrZrO3のIn添加量と焼結条件が試料の特性に及ぼす影響を調べ、高性能なプロトン導電体の開発を目指している。Inの添加量および焼結温度がSr(Zr,In)O3-δの焼結性、結晶構造、密度及び導電率などに大きく影響することを報告する。