抄録
BaLaMnO4はI4/mmmの空間群を持つマンガン酸化物であることが報告されてきた。今回、FZ法により合成しI4/mmm構造を有する単結晶を773Kで還元雰囲気中168時間熱処理することにより、新たな相の出現をX線回折および電子回折により確認した。電子回折法による消滅則から可能性のある空間群としてCccmが考えられた。さらに、この相を高温TEMにより相転移のその場観察をした結果、623 K付近で超格子反射の強度は弱くなり、833K以上でI4/mmmの構造への相転移が観察された。この相転移は、酸素八面体(MnO6)の傾斜により制御された逐次相転移であると考えられる。