抄録
標記組成系ではFeの置換によりキャリア濃度が増加し、電気伝導性が向上する。また、室温でのx = 0.1試料Ba(Bi1-xFex)O3の出力因子はx = 0試料(BaBiO3)のそれの4倍になる。そこで、本研究では室温以上での熱電特性の温度変化ならびにその置換量依存性について調べた。x = 0試料およびx = 0.1試料について、いずれも温度の上昇に伴いSeebeck係数は減少する傾向が見出された。また、室温以上でもFe置換によるSeebeck係数の減少が見られた。さらに、出力因子はいずれの試料も温度の上昇とともに増大し、x = 0.1については700 Kで最大となることが分かった。