抄録
二酸化チタン、メソ多孔質シリカのナノレベルでの複合体を作製し、吸着剤による気相中の有機物質の速やかな吸着とその後の光触媒による完全な分解を検討した。試料はメソ多孔質シリカの前駆溶液に二酸化チタンナノ粒子を加えた後に重合させることで作製した。二酸化チタン、メソ多孔質シリカのナノ粒子はナノレベルで均一に混合されており、0.05 mol%の二酸化チタンを含有する試料は1000 m2/gの高比表面積を有していることが確認された。この複合体は1500ppmのアセトアルデヒドを30分以内に吸着すると共に、その後の光照射により吸着された分子を90%以上分解することができた。この手法では添加する二酸化チタンを選択することで光源や対象とする物質に応じた効果が期待される。