抄録
格子中の酸素が出入りしやすい構造上の特性を持つSn含有パイロクロア型酸化物La2Sn2O7に注目し、これを担体とした触媒の調製を行った。また、触媒性能の向上を目的としてSnサイトに遷移金属Mnを置換した触媒を調製し、その排ガス浄化活性の検討を行った。その結果、Mnを置換したLa2Sn2O7にRhを担持した触媒は、従来のRh/CeO2-ZrO2触媒よりも高いNO浄化活性を示すことがわかった。また、Mn置換量を増加させると、ペロブスカイト型酸化物LaMnO3が生成し、NO浄化活性が低下した。このことは、触媒中におけるMnの存在状態が活性に影響することを示している。