日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2006年年会講演予稿集
セッションID: 2A09
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エアロゾルデポジション法により作製した強誘電体膜の構造‐分光測定‐
*津田 弘樹明渡 純中田 正文大橋 啓之
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抄録
エアロゾルデポジション(AD)法は、超微粒子材料の常温衝撃固化現象を利用した膜形成法であり、幅広い用途・分野で各種デバイスへ応用開発されている。紫外から近赤外(UV-NIR)領域における分光測定により、バンド間遷移に関係した構造の情報が得られることから、本報告では、AD法で膜を形成したPb(Zr,Ti)O3(PZT)薄膜のUV-NIR領域の分光測定を行った。PZT薄膜試料をAD法によりガラス基板上に形成した。作製した試料の反射率と透過率を検出部に積分球を用いたUV-NIR波長領域用分光器で測定した。測定した反射率と透過率を、光学モデルを用い、フィッティングにより誘電関数を算出した。アニール前後で消衰係数の波長依存性は変化しており、アニールによるバンド構造の変化が予想される。フィッティングした光学モデルのパラメータより算出したアニール膜のバンドギャップの値は、ゾルゲル法により形成したエピタキシャル膜で報告されている値とほぼ同等であった。as-deposited膜の消衰係数はアニール膜の消衰係数より大きく、as-deposited膜ではアニール膜よりも小さいバンドギャップの値が得られている。XAFS測定では、AD_-_as-deposited膜において局所構造の乱れが観測されていることから、バンド構造の変化の要因としてAD膜形成時に生じる局所構造の乱れが考えられる。謝辞:本研究は、経済産業省ナノテクノロジープログラム「ナノ電子セラミックス材料低温成形・集積化技術プロジェクト」による助成のもとに実施された。
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©  日本セラミックス協会 2006
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