抄録
(Bi,Pb)-2223超伝導体を固相反応法により作製し、エタノールと混合させ、本研究で用いる懸濁液を作製した。その懸濁液をNi基板およびNiO基板上に噴霧し、865℃、1hで焼結させ、(Bi,Pb)-2223超伝導皮膜を作製した。本研究では、冷却過程において焼結温度から650℃まで冷却させるときに、冷却速度を0.1°-10℃/minと変化させることで、臨界電流密度(Jc)へおよぼす影響を明らかにする。Ni基板においては、冷却速度が3℃/minのときに最も高いゼロ磁場Jcは77Kにおいて1200A/cm2を得た。またNiO基板においては冷却速度が0.5℃/minのときに1500A/cm2(77K,0T)を得た。