抄録
すでに、Mechanical Alloying(MA)によって積層無秩序構造を有するSiC粉末をSpark Plasma Sintering(SPS)によって焼結することで、99%を越える緻密焼結体の作製に成功している。これまで、このSPS中での構造化過程について詳細に検討しているものの、MA中におけるSiC合成過程を十分に検討していない。そこで、本研究では、C60粉末とSi粉末を用いてSiC粉末を作製し、炭素源の種類がSi-C反応に与える影響について検討した。その結果、C60粉末をSiCの炭素源として用いた場合、SiC合成過程はSi粉末にC60粉末が付着しSiCが合成される一方で、C60粉末同士が重合した場合、黒鉛のような構造を経てSiCが合成されることが解った。