抄録
近年、ビスマスとアルミニウムを共添加したシリカガラスが1.3ミクロンを中心とするブロードな発光を示すことが報告され、光通信などへの応用が期待されている。今回、組成および励起波長を適切に選択することで更なる広帯域化を目指し、半値幅が400nmを超える超広帯域な発光を示すことを見いだした。この波長領域でこれほど広帯域な発光を示す材料は私たちの知る限り報告されていない。この発光は低温と室温の発光寿命に大きな変化はなく、非輻射遷移による発光効率の減少がほとんどないことを示唆している。以上の結果から今回報告するビスマス添加シリケートガラスは光通信用の高効率超広帯域光増幅媒体として非常に有望であると考えられる。