抄録
自動車用撥水性ガラスは、雨天時におけるドライバーの視認性向上を目的とした予防安全に貢献する商品である。我々は撥水性ガラスの高寿命化、高撥水化、および低コスト化を検討し、下地層と撥水層の形成にそれぞれ反応性の高い材料を使用することで高寿命化と高撥水化を達成した。また、材料の反応性を高めたことで、従来下地膜の緻密化に必要であった高温焼成が不要となり、製造コストの大幅なコストダウンに繋がった。改良された撥水性ガラスは、98年からフロントドア用として生産を開始し、00年以降は年間100万枚以上の生産量に至っている。また、前記技術の水滴の転がり性および耐摩耗性を更に改善することで、01年にはウィンドシールド用撥水性ガラスの実用化にも成功した。