抄録
無機薄膜の多くはその結晶構造から高度な機能を発現するため一般に結晶であることが必要である。近年、プラズマ照射による低温・短時間での結晶化が可能なプロセスが開発された。これまで酸化チタン(TiO2)薄膜についてはSi基板上での結晶化が確認されている。しかし、窓ガラスへのコーティングなど透明薄膜としての利用を考える場合にはガラス基板上での結晶化が望まれる。
本研究では前処理としてTiO2前駆体薄膜への真空紫外光の照射、シード粒子の添加を行い、酸素プラズマ照射後の結晶性や屈折率の変化等について検討した。その結果、ゾルーゲル法から得られたTiO2前駆体薄膜のガラス基板上での結晶化に成功した。