抄録
カオリナイトを出発物質としたメソ多孔体の水熱合成を試みた。メソ多孔体は高い調湿性能を有しており、この粘土材料が固化できれば、超低環境負荷・高機能材料のとなる。出発原料にはカオリナイトを主成分とする本山木節粘土を用い、これを400-900℃までの範囲で加熱することによりメタカオリン化の程度を変えて実験に用いた。メタカオリンは水酸基の脱水により作られたメソオーダーの脱水孔を持つ物質であり、この構造を利用した細孔量の多い多孔体作製を狙った。合成は、カオリナイト、生石灰、石英を湿式混合し、これを30MPaで一軸加圧成型の後、150℃の飽和水蒸気圧下で水熱反応を行った。