抄録
我々は,これまでLi4SiO4のCO2吸収・放出挙動を,フリーマン・キャロル法を用いて反応速度論的に調べてきた。この方法は,放出挙動については妥当な結果を与えたが,重要なCO2吸収挙動については明確な結果を与えなかった。今回,我々はLi4SiO4のCO2吸収・放出反応を調べるに当たり,基礎に戻り,測定温度を一定にした場合において反応率が測定時間によりどのように変化するかを調べることによって,それら反応の速度定数kを概算することにした。種々の粒径をもつLi4SiO4を合成し,それら試料のCO2吸収・放出挙動を,熱重量分析装置を用いて様々な温度で調査した。得られたデータを反応速度論により解析することによって,Li4SiO4の最適な合成温度およびCO2吸収・放出条件を検討したので報告する。