抄録
宇宙構造材料として使用されるセラミックスは、金属とは違う優れた特性が期待されるが、特性変化に及ぼす宇宙曝露の影響は十分には明らかにされていない。そこで本研究では1年及び2年間宇宙環境曝露(SM/SEED)した試料について、宇宙環境曝露期間の差による特性変化の違いを明らかにした。試料は、窒化アルミ、炭化ケイ素(ホットプレス法と反応焼結法により作製)、アルミ板あるいはアルミナ板に窒化チタンをイオンプレーティングした試料の計5種類である。宇宙曝露とは別に地上対照試験として、上記試料に原子状酸素、紫外線、電子線を照射した。これらの試料について、質量測定、熱光学測定、表面粗さ測定、SEM観察、WDX分析、SIMS分析を行い、宇宙環境曝露の影響を評価した。