抄録
鉛系に匹敵する非鉛圧電材料の探索として、弱い強誘電体であるニオブ酸銀に着目した。ニオブ酸銀にリチウムを添加することで強誘電性がはっきりと現れることから、ニオブ酸銀にリチウムを添加した単結晶を育成しその物性を明らかにする。そのため、大型の単結晶の育成方法を検討し、晶系を考察して、結晶方位にあわせて結晶を切り出し圧電測定用の振動子の作製を行なった。振動子にポーリング処理を行い共振・反共振周波数から圧電定数を算出したところ、位相が40度回った状態でd31=50(pC/N)、k31=25%、εr=204、という結果が得られた。しかしまだポーリング条件が十分ではなく、今後さらに改善することで高い圧電定数を得ることができる。