抄録
圧電セラミックスの特性は結晶配向により向上する。特にビスマス層状構造強誘電体(BLSF)では、結晶構造の異方性が高いために結晶配向の効果が顕著である。BLSFへはテンプレート粒成長法により容易に結晶配向が附与できる。本研究ではBLSFに属するSrBi4Ti4O15について、結晶配向および粒径などの微細構造に及ぼすマトリックス粒子の粉体特性の影響を調べた。マトリックス粒子が板状に形状を変化させる際にテンプレート粒子の存在が成長方向を決めることにより配向が生じるので、マトリックス粒子の性質が微細構造に大きな影響を及ぼすことを明らかにした。