抄録
チタン酸バリウムの緻密厚膜(膜厚30μm)を1000g(g:重力加速度)を加えながら遠心焼結により成膜した。チタン酸バリウム微粉末(粒径1μm)を原料とし、フッ化リチウムを粒成長促進剤として添加した。厚膜は、スクリーン印刷により基板にパターニングし、その後焼結させた。フラックス添加量の増大により、粒成長は著しく促進されることを確認したが、通常の焼結では、粗大な気孔を除去することが困難であった。一方、遠心焼結では、非常に緻密な膜を成膜することが可能であり、その表面も比較的スムースで、三重点等でのフラックス偏析も少なかった。これらの遠心焼結膜の特徴は、加熱中の粒子再配列の促進に起因しているものと考えられた。