抄録
近年、環境保護面の観点から、PZT系強誘電体材料の代替材料となる非鉛系新規強誘電体セラミックスの創製が必要不可欠となっている。ビスマス層状構造強誘電体(BLSFs)は、この非鉛系強誘電体セラミックスの候補の一つとして挙げられ、分極反転に伴う疲労特性に優れた特性を有する事で知られている。そこで本研究では、m=2と3の交代層構造を有するBi7Ti4.375Nb0.25W0.375O21セラミックに注目し、NbサイトをVで置換したBi7Ti4.375Nb0.25-xVxW0.375O21セラミックスの合成を行い、V置換が結晶構造及び強誘電特性に及ぼす影響について検討を行った。