抄録
TiO2は代表的なn型酸化物半導体であり光伝導性・光触媒活性などを有し、その多様な物性はTi4+と異なる原子価を有する陽イオンをドープすることにより制御する事が可能である。近年Nb5+ドープがTiO2の物性制御法として注目されている。本研究では、TiおよびNbのペルオキソ化合物水溶液を前駆体として用いる溶液法により低温焼成でのNbドープTiO2の合成を検討した。ペルオキソ化合物水溶液を前駆体として用いることによって焼成温度が600℃においてNbドープが可能であることを見出した。また、大気中焼成条件下においてもペルオキソイオンが還元剤として作用することによって酸素欠陥を多く有するNbドープTiO2が得られることを明らかにした。