抄録
熱炭素還元法によるSiC粉末合成において、原料に用いるケイ素源と炭素源および熱処理温度を変えて合成を行い、得られるSiC粉末の粒径の変化を調べた。SiCの単相は1800℃以上の熱処理で得られたが、粒径は0.5~5μmであった。1600℃で熱処理した試料では未反応のSiO2や炭素が残存していたが、X線回折の結果から結晶子径が数10nmのSiCが含まれていることが分かった。粒径の小さいSiO2を用いた試料ほどSiCの収率は高くなった。ケイ素源にエチルシリケート、炭素源にフェノール樹脂を用い、1600℃で熱処理を行った後、未反応の炭素およびSiO2を除去した試料では数10nmのSiC粒子観られ、熱炭素還元反応によりSiCナノ粒子が得られることが分かった。