抄録
本研究では六角板状の結晶形態を有するリンデQゼオライトの交換性陽イオンであるK+をTb3+でイオン交換し、加熱することによる板状緑色蛍光体の作製を検討した。Tb3+イオン交換リンデQゼオライトの加熱による構造安定性はイオン交換前のK型リンデQより向上し、800℃の加熱試料は六角板状の結晶形態を保っていた。この試料の励起波長370nmにおける蛍光スペクトルを測定したところ、543nm付近に緑色発光ピークが確認された。結晶粒子の厚み方向が100nm以下のナノサイズであるリンデQゼオライトを用いることでナノ板状緑色蛍光体の作製に成功した。