抄録
超音波スプレー熱分解(USP)法は大面積ZnO膜を簡便に作製可能な手法であり、得られたZnO膜は膜中に欠陥が少ないことを示唆する強い紫外バンド端(約3.3 eV)PLを示すものが多い。しかし、デバイス作製に不可欠な表面平滑性を含めた膜の質に関する総合的な評価はなかった。そこで、本研究では、ZnO膜を酢酸亜鉛水溶液と空気をキャリアーガスとしたUSP法によりガラス基板上に作製し、作製条件と光・電子物性との相関からUSP法の有効性を調べた。その結果、300 ~ 400℃の低温で強い紫外PLを示すZnO膜が得られ、その物性は膜表面モフォロジーと強い相関があることが明らかとなった。