抄録
我々は、耐熱性が高いジルコニア基板上で、スクリーン印刷によりPZT厚膜をパターン形成し、高温熱処理によって十分に焼結させ、得られた焼結膜を、所望の基板へ転写する技術を開発した。今回は本プロセスの特徴である、ジルコニア基板上でのPZT膜の焼結挙動について調べた。その結果、高温でのPbO揮発性の低い組成を用いることで、ジルコニア基板との剥離性が実現されていることを確認した。また、膜と基板は点在する異相粒子により点結合されており、このことが、焼結中のパターン維持(拘束焼成)と、焼結後のハンドリング性(適度な付着性)に寄与していると考察した。