抄録
プロトンあるいはオキソニウムイオンを荷電担体とするプロトン伝導性固体材料は、エネルギー素子、表示素子、センサなどの電解質としての応用が期待されている。特に、クリーンなエネルギー源としての期待が高まる燃料電池の電解質においては、高いプロトン伝導性に加えて、化学的耐久性、耐熱性、耐酸化性、低コストなどの項目を満足する新しい電解質材料の開発が強く求められている。ここでは、我々がこれまでに行ってきた細孔、欠陥、あるいは界面を利用したプロトン伝導体の開発と燃料電池電解質への応用に関して、(1)ゾル-ゲル法による無機-有機複合体、(2)メカニカルミリングによる固体酸複合体、(3)交互積層法によるマルチへテロ界面構造を有するプロトン伝導体について講演する。