抄録
高純度のマグネシアとシリカを用いたフォルステライト磁器は、その合成、焼結条件などの適切な組み合わせにより、200,000 GHz以上の高いQ値が得られることが報告されている。しかし、これらの性能は、比較的狭い範囲の条件設定のもとで得られたものであり、条件変動の影響の度合いなどは十分には把握されていない。したがって、そのままでは工業レベルでのフォルステライトの安定的な製造に繋がりにくいという問題がある。本研究では、高Qのフォルステライト磁器を工業的に安定に得るための基本と考えられるフォルステライトの合成条件、焼結条件、原料の組み合わせについて検討する。合成については、仮焼温度と時間、焼結については焼成温度、原料についてはマグネシアの粒子径に対するシリカの粒子径を検討項目に取りあげる。