抄録
ペロブスカイト型酸化物強誘電体である(1-x)Pb(In1/2Nb1/2)O3-xPbTiO3 (PIN-xPT)は、大きい誘電率と高いキュリー点を示すことから、誘電圧電材料への応用が期待される。PIN-xPT混晶は相図・物性が明らかになっていない。本研究では、PIN-xPT単結晶をフラックス法により育成し、誘電率測定、D-Eヒステリシスループの測定や偏光顕微鏡によるドメインウォール構造の観察などを行った。誘電率の温度依存性から得られた相転移温度と、物性測定の結果から、混晶の相図を明らかにし、x= 0.35~0.41付近に菱面晶と正方晶の濃度相境界を見出した。