抄録
一般に、材料の特性の向上や改善を考える場合、その材料に替わる新しい物質系の探索や、添加元素の検討は、これまでの常套手段であった。他方で、新奇な系や組成を闇雲に検討するのではなく、既知の実用材料の組織微構造を結晶粒単位で最適化することで特性を最大限に引き出すことも重要なファクターである。その方法として、磁場や電場などの外場が及ぼす作用を利用した組織制御は有効であると考えられる。本講演では、反磁性または常磁性セラミックスのコロイドサスペンションに強磁場と電場を印加し、個々の粒子を配向させた状態で電極基板上に堆積固化させる成形プロセス-強磁場電気泳動法-について、粒子配向・堆積のメカニズムや、プロセスパラメータの制御でどの程度の配向配列制御が可能かについて考察する。