抄録
層状酸化物を剥離することで得られるナノシートは、面内方向にはミクロンオーダーの広がりを持ちながら数原子層分の厚みしかもたない一種の二次元結晶である。我々はこのナノシートの二次元構造を利用した新たな薄膜配向制御法を開発した。シード層にナノシート単層膜を利用することで、厚さが約1ナノの平滑な表面を持ったシード層を室温にて容易に作製することが可能となった。シードには既存の多様なナノシートを利用することができ、これによって様々な酸化物を配向成長させることに成功している。
本発表では酸化チタンを含む各種酸化物をゾル・ゲル法によってナノシートシード層上に配向成長させた実例を示し、さらに得られた配向酸化チタン膜の光触媒特性について報告する予定である。