抄録
ZrO2-TiO2系濃厚スラリーからのZrO2-TiO2系化合物の合成に及ぼす水熱処理効果について検討した。Zr(OH)4・Ti(OH)4・H2SO4の混合比の異なるスラリーを作製し、97℃で熟成処理を行った。その後300℃~800℃で加熱処理した時のZrTiO4およびZrO2-TiO2系化合物が生成に及ぼす熟成処理の影響を調べた。その結果、熟成による生成物はいずれも非晶質であり、スラリーの組成範囲がTi4+/(Zr4++Ti4+)=40%~50%の時、700℃以上での加熱処理によってZrO2-TiO2系化合物が生成した。また、SO42-を34%以上含むスラリーでは、500℃以上の仮焼により未知の結晶質相が生成した。さらに、700℃~800℃の間で重量減少を伴いながら、ZrO2-TiO2系固溶体ならびにZrTiO4が生成した。