抄録
γアルミナの相転移と高温での微構造発達に及ぼす2価陽イオンのドーパント(0.1~0.5 mol%)効果を研究した。ドープした陽イオン(Mg, Ca, Sr, Mn, Co, Ni, Cu, Zn)は多核ヒドロキソアルミニウム錯体溶液を用いるゾルーゲル法でγアルミナの欠陥スピネル型格子に置換された。ドーパントはγアルミナの単一相生成を促すとともに,Cu系の高濃度領域を除きα化転移を遅延させ,転移温度とドーパントイオン半径との間には相関関係が見出された。1673Kでのαアルミナの平均粒子径とドーパントイオン半径との間にも,Cu及びMn系を除外すると比較的良い相関関係が見出された。