抄録
カーボンナノチューブ(CNT)は優れた電気的、機械的特性を有しているが、容易に凝集することが知られている。材料中に残存した凝集領域は特性の向上に寄与せず、逆に欠陥等になって特性の劣化を引き起こすことから、CNTの均一な分散が複合材料作製時の最も大きな課題となっている。本研究では、代表的なセラミックスであるアルミナとCNTを粒子複合化プロセスにより均一混合し、これを用いてCNT分散アルミナセラミックスを作製することを目的とした。走査型電子顕微鏡観察の結果、カーボンナノチューブはアルミナ粉末内によく分散していることがわかった。得られた焼結体は、緻密かつ高強度であり、高い導電率を有していた。このような、本研究で作製されたCNT分散アルミナセラミックスの優れた機械的特性と電気的特性の両立は、粒子複合化プロセスによるCNTの均一分散に起因しているものと考えられる。