抄録
これまでに快削性と生体活性を合わせ持つマイカ‐アパタイト結晶化ガラスが得られており、生体骨のような複雑な形に容易に加工できる。しかし、強度および破壊靱性が低く、大きな荷重のかかる部分には使用できない。本研究では、その強度及び破壊靱性を高めるため、高強度及び弾性率を有するVGNF(気相成長カーボンナノファイバー)をマイカ╴アパタイト結晶化ガラスへ複合化することを試みた。結晶化ガラス組成のガラス粉末と5%VGNFをボールミルで24時間混合し、600℃で30分間保持の仮焼を2回行い、真空焼成した。マイカとアパタイトを重量比で6:4及び7:3とした組成として得られた複合体ではVGNFが均一に分散し、相対密度がそれぞれ99%及び98%まで緻密化した。