抄録
Tb3+-Yb3+共添加ガラスにおける高効率のアップコンバージョン(UC)励起実現を目指して、Tb3+-Yb3+共添加フツリン酸塩ガラスの可視発光特性の調査を行なった。Tb3+、Yb3+をそれぞれ最大で20mol%添加したフツリン酸塩ガラスを作製した。発光に寄与するYb3+からTb3+へのエネルギー移動効率ηは、15-25%であり、発光を阻害するTb3+からYb3+へのエネルギー移動効率ηBTは、1%未満であった。ηとηBTの差より考慮されるUC励起の効率は、他のホストガラスと同等以上であると考えられることから、緑色帯における光増幅媒体およびレーザー媒体として有望な材料であることがわかった。