抄録
オキシ硫酸チタン水溶液から水熱法を用いて調製されたニオブを含有したアナターゼ型TiO2ナノ粒子の構造・相安定性などの性質を調べた. 試料はTiOSO4とNbCl5を出発物質として用い,アンモニア水を加えて得られた沈殿物を240度で水熱処理し,結晶化させ調製した.ニオブを含有したアナターゼ型TiO2は500度までは結晶相の変化は見られず,500~800度の加熱過程でNb2O5およびTiNb2O7の析出に伴いアナターゼ型TiO2の格子定数は徐々に減少した.ニオブドープ量に依存したが,ルチル相は850~1000度まで生成せず,高温までアナターゼ相が安定に存在した.