抄録
水分解光触媒は、地球上に豊富に存在する水から水素と酸素を分解できることから注目されている。水分解光触媒の中でも、タンタルシリケート系光触媒は結晶
中にSiO4鎖が配位することにより、結晶構造が安定し、光触媒長寿命になることが期待される物質である。これらタンタルシリケート系光触媒は複雑組成であるため、従来の固相法による合成では困難であるとされるが、錯体重合法を用いることにより短時間・低温で試料の合成ができ、かつ粒成長も防ぐことができることから水分解光触媒の高活性化が期待される。そこで今回、錯体重合法を用いて種々のタンタルシリケート系光触媒を合成し、その活性評価を行った。