抄録
これまでの研究により、分相-選択溶解法で作製した多孔質チタニアワイヤの光触媒反応を用いて、常温・大気圧下で化学安定性が高いポリイミド薄膜表面を常温・大気圧下で分解できることを報告している。一方、自己組織化膜を用いて基板上に有機分子や生体分子を配列させた化学センサの研究が進められており、センサの小型化や高機能化のために精密かつ高精細な配列パターンの制御が要求される。我々は、最近シリコンウェハに担持させた自己組織化膜であるオクタデシルトリクロロシラン(OTS)を、多孔質チタニアワイヤを用いて光触媒分解できることを確認している。そこで本研究では、OTSの光触媒分解・加工を種々の条件下で行い、紫外光の照射条件、湿度や酸素濃度などの雰囲気を制御し、それらが及ぼすOTSの分解過程への影響について調査したので報告する。