抄録
大気開放型化学気相析出(CVD)法により作製されたHfO2-ZrO2酸化物薄膜は、液体窒素温度下で電子線を照射することにより紫外線を発光する。特に波長280 nm-300 nmに得られる発光は220 nm付近に得られると予測されるバンド端発光では説明できないほど波長が長く、この発光は電子格子相互作用に起因すると考えられる。電子格子相互作用の強さは光学誘電率、静的誘電率、格子振動数および有効質量の関数であることから、これらを測定することで電子格子相互作用が発光に与える影響を知ることができる。
本研究では、波長280 nm-300 nmの紫外線発光の原因を特定するために、大気開放型CVD法で作製したHfO2-ZrO2酸化物薄膜の静的誘電率を測定した。