抄録
家庭用の小型固体酸化物型燃料電池(SOFC)の実用化において、頻繁かつ急速なシステムの起動停止が要求される。1000℃付近で運転されるSOFCでは、発電可能な温度まで急速に昇温する必要がある。SOFC電解質ではジルコニアが一般的であるが、スカンジアを安定化剤としたScSZ電解質が発電特性の面から有望視されている。本研究では、スカンジア部分安定化ジルコニア電解質材料の熱機械的評価を行い、急速昇温時に問題となる耐熱衝撃性の評価を行った。強度はスカンジア添加量の増加および測定温度の上昇により低下した。耐熱衝撃性についてはスカンジア添加量の増加によって減少する傾向がみられた。