抄録
陶磁器の絵付け等に用いられる無機顔料は、濃い青色に発色する呉須など天然のものも少なくない。これら顔料は、顔料メーカー等で粉砕され市販されているが、本研究所が取り組んでいる陶磁器へのインクジェット印刷による加飾に用いるためには、さらなる粒子の微細化と均一化が必要不可欠である。そこで本研究では、顔料として古代呉須を用い、様々な粉砕方法、分級方法について比較検討した。粉砕をボールミリングで行った場合、水簸しない呉須は、平均粒径0.85 μm、標準偏差0.21であったのに対し、水簸により粗い粒子を除去した呉須は、平均粒径が0.49 μm、標準偏差0.12となった。このことから水簸によりばらつきが少なく、加えて微細な呉須が得られることがわかった。