抄録
高周波用の電磁波吸収体として、NiZnフェライトを珪化木をつくる手法をまねて、木材を原料にセラミックス化し、木材の多孔性を維持しながらフェライト化することを試みた。作製方法はゾルを木材に浸透させ、木材組織中でゲル化させ、これを焼結することで目標組成のフェライト多孔体を合成する。XRDでは、温度を1000℃以上にすることで、木材の炭素成分のない、フェライト結晶を得ることができることが明らかとなった。EDX分析、SEM観察では、Ni元素の偏析が多少見られるものの、多孔構造は維持されて焼結されていることが観察された。この高周波特性については発表当日に報告する予定である。