抄録
水素吸蔵炭素の細孔構造はマクロ・メソ・ミクロ孔からなる。本研究では, 水素吸蔵炭素の内部構造を確認するため走査型電子顕微鏡(SEM)法を駆使して観察した。コーヒー滓を原料として得た炭素材料に、700-825 ℃と温度を変化させて水蒸気賦活を施した。この炭素について比表面積をBET吸着法、,断面構造をSEM法により評価した。BET吸着法より比表面積は700-775 ℃まで増大し,775-825 ℃では減少する傾向を示した。断面観察より炭素表面のメソ孔が比表面積の増大とともにより広範囲で観察された。また比表面積が減少するときこのメソ孔が成長しより大口径なマクロ孔となることが考えられる。