抄録
安藤らは、スパッタリングにより金属触媒を担持させたシリコン基板を、メタノール中で抵抗加熱することにより、基板面に垂直に高配向したカーボンナノチューブ(CNTs)を合成している。当研究室では、アルコール類に有機金属錯体触媒を溶解した均一触媒系中で、汎用性に富む市販ステンレス基板を抵抗加熱するという、1段プロセスでの高配向CNTsの液相合成について一連の研究を行っている。本研究では、炭素源として炭素数1‐6の直鎖1級アルコール、またジオールや環状のシクロヘキサノールなどの分子構造の異なるアルコールを用い、CNTs生成と炭素源の分子構造との関係について検討した。メタノールを用いた場合に、最も高純度・高配向のCNTsが合成された。