抄録
近年、固体酸化物形燃料電池(SOFC)の適用を拡大するために、作動温度の低温化が求められている。そのため、高い酸素イオン伝導性を有するLaGaO3系電解質材料が注目されている。しかし、この材料系の破壊靱性が低いことから、SOFC電解質への適用が遅れる原因の一因となっている。そこで、従来の材料の中でも特に酸素イオン伝導率の高いLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3-δを母材とし、それに8YSZを加えた2成分の複合電解質膜を作製することで、酸素イオン伝導率の低下を最小限に抑えると同時に破壊靱性値の向上を試みる。
電解質膜の作製には、簡便でありながら緻密な膜を形成できることから、SOFCセルスタック作製に有用であると考えられる電気泳動堆積(EPD)法を使用した。