抄録
中温度(600~800℃)作動用の固体酸化物燃料電池(SOFC)の高出力化には、内部抵抗の主要な原因の1つであるカソードの抵抗の低減が不可欠である。現在、中温度作動用固体酸化物燃料電池のカソード材料として、酸化物イオン・電子混合導電体でペロブスカイト構造をもつBa0.5Sr0.5Co0.8Fe0.2O3-δが注目されている。しかし、Aサイト金属の組成が電極特性に与える影響の詳細は明らかでない。本研究ではBaxSr1-xCo0.8Fe0.2O3-δを電極としてセリア系電解質に付与した対称電極セルを作製し、交流インピーダンス測定によりその抵抗成分の分離を行い、電極抵抗のAサイト金属組成依存性を調べた。