抄録
本研究ではp形透明半導体材料として注目されているデラフォサイト構造金属酸化物の中でキャリアの導入が容易であるとされているCuYO2の合成を行った。CuYO2ならびにCuY1-xCaxO2はクエン酸錯体の熱分解法により合成した。大気中においてクエン酸錯体の熱分解を行うことにより得られた前駆体相を低酸素分圧下、もしくは不活性ガス雰囲気中で熱処理を行うことによりデラフォサイト構造を有するCuYO2を得た。本方法では報告されている固相反応法に比べ、低温、短時間の合成が可能となった。得られた試料はヘキサゴナルとロンボヘドラルの混合相であった。現在、CuY1-xCaxO2の電気物性評価を進めている。