抄録
湿式法によりカーボンナノチューブの表面に結晶性酸化チタン微粒子を表面修飾した。この複合粒子を高分子に分散させたコンポジット材料は高い機械的強度を有する。一方、このコンポジット材料に紫外線照射をおこなうことで、表面近傍の高分子が光触媒作用により分解し、カーボンナノチューブが露出するために高い導電性と光触媒が付与される。カーボンナノチューブが高分子への紫外線の進入を遮蔽するため、光触媒による分解は表面近傍に留まり、長期の紫外線照射後も高分子の機械的強度を損なうことは無かった。本技術は高強度、高伝導(帯電防止)、高い光触媒活性といった機能を併せ持つプラスチック材料への応用が期待できる。