抄録
約百kHz以上の繰り返し周波数でフェムト秒レーザーをガラス内部に照射すると、パルスの時間間隔が熱エネルギーの散逸にかかる時間よりも短くなるために、熱蓄積の影響が形成される構造に現れる。特に、最近注目されている多点同時レーザー照射による一括加工では、互いに近くにある加工点同士での熱影響が加工形状に大きく影響すると予想されるため、熱影響を検討して照射条件を選ぶことが不可避となる。本研究では、数10μm離れた二点に同時にフェムト秒レーザーを集光することにより、構造変化の直径の変化から熱蓄積時の温度分布について検討した。実験の結果、構造変化が起こった領域の境界の温度が試料のガラス転移温度に非常に近いことがわかった。