抄録
紫外光照射下において水の完全分解を達成する層状タンタル酸塩LiCa2Ta3O10は、加熱処理により光触媒活性が飛躍的に向上する。本研究では、加熱処理の効果を検証するため、還元処理および再酸化処理を経て得た0.5wt.% NiOx/LiCa2Ta3O10を様々な条件下で加熱処理することにより、水分解光触媒活性に及ぼす影響を評価した。構造解析の結果、加熱処理による層間距離の減少は、層空間の縮小ではなく、Ta-O結合距離の減少に伴うペロブスカイト層の厚みの減少が原因であることが証明され、水分解光触媒の高活性化因子の可能性が示唆される。